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エボナイト棒と聞くと小学生の時の静電気の実験を思い浮かべませんか?私が小学生だった時はエボナイト棒をタヌキの毛皮で擦って静電気を起こして髪の毛をくっ付ける実験でした。今の小学生はどんな実験法なんでしょう?そもそも静電気の実験をやってるのでしょうか?ところでエボナイト棒って何?ということで調べてみました。調べた結果エボナイトは世界最古の人口樹脂といわれ、天然ゴムが原料の硬質ゴムだそうです。外観が黒檀(= ebony、エボニー)に似ていることから「エボナイト」と名付けられたそうです。万年筆、楽器のマウスピース、ギターのピックの材料としても使われるそうです※1。私の趣味の一つがギターなんですが、エボナイトで出来てるピックがあるなんて全く知りませんでした。

 

さて話は静電気の事についてなのですが、冬場の乾燥している時などに車のドアを開けようとしたりするとビリッ!とかバチッ!と来る、あの嫌な現象を引き起こす原因の静電気です。私は粉体の付着試験、滑落試験、静的, 動的接触角測定、等々を行う際にはイオナイザーを用い、実験前から試験終了までずっとイオナイザーで除電を行っています。除電を行わないと粉体が素直に試験片に散布出来なかったり、あらぬ方向に飛散したり、散布した粉体が強力に試験片に付着したりします。接触角測定では着滴の際にやはりあらぬ方向に着滴したりする場合もあります。特に樹脂の試験片の場合は気を付けています。

 

御社で粉体の取扱いがあり、粉体の付着でお困りの場合、イオナイザーを設置したり、ノッカーを設置したりする場合もあると思いますが、もしそれでも粉体付着でお困りの様でしたら、コーティングやめっきとは原理的に違い、ホッパーやシューター等々の表面形状を変更するだけなので、コーティングやめっきの欠け割れ剥がれ等々の懸念がなく、剥がれた場合それが異物混入となる、そういった事象も原理的に発生しないMD処理🄬(Micro Dimple処理)をお勧めします。

 

MD処理は目に見えないほどのミクロンサイズの凹凸を基材表面に極短時間で形成する表面加工法です。様々な形状、サイズ、物性の投射材(メディア)を圧縮空気を介し加工したい表面に高速でぶつける投射加工です。ミクロンサイズの凹凸は粉体のサイズより細かいため、粉体と例えばMD処理前のホッパーの表面は平面接触から多点接触となます。よって摩擦が減少したり、見掛け上の表面自由エネルギが低減することで付着抑制効果や滑り性向上効果を発揮します。MD処理の種類によっては親水性の表面にもなるため洗浄性も向上します(撥水性の表面にも出来ます)。

 

MD処理は粉体種に応じ粉体サイズより極小さな凹凸を形成しますので、ここに粉体が引っ掛かって付着残留したり滑落性が悪化することはありません。弊社ではMD処理受託加工のほかに受託試験も行っておりますので、お使いの粉体をSDSと共にお送り下されば、どのようなMD処理条件が最適かを検討させて頂くことも可能です。どうぞご依頼下さい、お待ちしております。

  • 人体に害のある物質は基本的に受託試験をお受け出来兼ねますことをご了承下さい。

 

余談ですが、私、個人的に30年くらい前のコロナ放電型除電機を持っていますが、数年前にその除電機製造メーカーのサービスの方に見てもらったのですが、30年くらい使ってもらってこんなに綺麗なんですか!?と驚かれました。という感じで受託試験の場合も勿論丁寧に行い、真の結果を提供致します。

 

※1:株式会社日興エボナイト株式会社HP