当社の技術の環境への寄与について >

㈱不二WPCならびに㈱サーフテクノロジーの環境対策への寄与について

【はじめに】

本年(2021年)11月に,国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)が開催され,不十分ながら,2030年までに気温上昇を1.5℃に抑えることが合意された。そうした合意の有無にかかわらず,温暖化対策は喫緊であることに違いない。温暖化は海水面の上昇や生態系の破壊など様々な影響を引き起こす,それらの変化が温暖化の不可逆性の臨界点を超える等の指摘も存在する。

温暖化に対して,その主要な要因としてのCO2をはじめとした温室効果ガスの削減等様々な対策が取られようとしている。それらを含め,エネルギー使用量の総合的な削減や様々な環境汚染物質の排除等,従来の生産工程を前提とした生産様式の抜本的な改変が必要な時期に来ているとも言える。少なくとも,企業活動に関してもそうした環境負荷低減に関する取り組みや自社の生産する商品等の環境に関する影響に関して検討する必要がある。

当社は,金属材料等の表面改質として微粒子投射処理(WPC処理,MD処理)並びにDLC被覆の受託加工を実施しており,以下,当社の受託加工に際しての環境への影響ならびに環境負荷低減の効果に関して示す。

【当社の受託加工工程の環境に対する影響に関して】

環境負荷低減の取り組みが重視されているなか,低減のための製品の製造過程で,環境負荷物質が生成される,膨大なエネルギーが消費されるなどの矛盾した現実が発生しており,環境対策に関しては製造工程の検討が必要である。

当社での主要な受託加工の工程は微粒子投射処理(WPC処理,MD処理)並びにDLC被覆であり,各工程について示す。

微粒子投射処理(WPC処理,MD処理)は,数十µの微粒子を基材に投射し,基材(主として金属材料)表面に塑性変形を加え,圧縮残留応力の付与や表面形状の形成を行う処理である。微粒子投射処理で残留応力の付与を目的とするものをWPC処理,食品付着抑制のための形状形成を目的としたものをMD処理として差別化している。使用する微粒子は鉄系材料やセラミックスなどの汎用な材料であり,環境負荷物質は使用されておらず,回収して循環的に使用される。また,投射は圧縮空気によりなされるため,排水処理等の必要もない。基本的には,圧縮空気を作製するコンプレーサー用の電気のみが使用される。

当社のDLC被覆は,真空装置内で炭化水素系ガスを分解し,硬質炭素膜として形成する技術である。使用する炭化水素系ガスはプラズマで分解され,製品,真空チャンバー壁ならびに排気系にトラップされ,ほとんど外部には排出されることはない。また,DLC被覆は環境調和型表面処理と呼ばれ,従来の,CrメッキをはじめRoHS(ローズ)規制(特定物質使用禁止指令)の代替として,また,生体適合性もあるためステントなどの医療材料にも使用されている。

さらに,当社のDLC膜はFDAに食品用適合と認定され,安全性も保障されている。

以上の様に,当社の工程は環境に対して極めて負荷の少ない手法で実施されており,エネルギー消費の小さい,環境に優しい手法である。

 

 

㈱サーフテクノロジーによる環境負荷低減への寄与に関して

㈱サーフテクノロジー(以下,弊社)では,主たる業務として食品関連材料(食物粉体,食品,食品包装品等)の付着抑制や滑り性向上の表面処理を実施している。処理内容としては,前述の微粒子投射処理(MD処理),DLC被覆ならびにその複合処理である。

食品製造に係る,各工程での歩留まり等は明確になっておらず量的な評価は困難であるが,例えば,粉類でも小麦粉の生産量は約500万t(国内生産約15%)(農林水産省「製粉工場実態調査」(2015年)),砂糖の消費量約200万t(2019年)など,膨大な量の食品原料が流通している。それらは,小麦であればパン,麺類などに加工され消費者のもとに届けられる。

現在,食品ロスで廃棄される可食部分は600万tと言われ,様々な対策が取られ始めている。可食部分も含めた食物由来の廃棄物は2,500万t言われており,ほぼ半数は飼料や肥料へと再利用されているが,1,000万t程が焼却や埋め立てと言った形で廃棄される。(農林水産省食料産業局資料)

当社の食品関連材料のマイクロディンプル(MD)処理の効果としては,

  • 食品粉体の付着抑制として,ポッパー,シューターならびにフルイなどの食品搬送系に適用され,付着量を大幅に低減する。
  • 食品搬送系の摺動特性を向上させ,搬送時間やフルイなどでは篩い時間を大幅に短縮する。
  • 食品搬送系や食品製造・加工系の洗浄性を向上させる。
  • 食品製造・加工系に抗菌・抗カビ特性を付与する。

などが挙げられ,それらの効果を環境負荷の点から考えると

  1. a) 食品原料や加工品の付着等による廃棄量を大幅に減少させ,廃棄に伴う環境負荷を低減させる。
  2. b) 食品製造過程での菌やカビなどによる廃棄量を大幅に減少させ,廃棄に伴う環境負荷を低減させる。また,殺菌に関する殺菌剤等の使用量を低減し殺菌剤等に関する環境負荷を低減させる。
  3. c) 食品分別系や搬送系に係る時間短縮を図り,各過程での電力消費を低減する。
  4. d) 食品製造過程での洗浄性の向上は,洗浄に伴う洗浄液・洗浄水等の使用量,処理に関する環境負荷を低減させる。

e)上記の効果は,複合的に作用する。 例えば,付着抑制や洗浄性の向上は,細菌やカビ増殖の要因となる栄養素を減少させ,抗菌・抗カビ効果をより有効化する。

  1. d) 現在,食品製造業では,環境負荷低減の取り組みが進んでおり,例えば,製粉製造業では殆どの廃棄物は回収され家畜の飼料等に利用されているが,それ等に伴うエネルギー等を考えれば,各工程での歩留り向上は,本質的な環境負荷低減に必要な課題である。

以上のような効果は,環境負荷負荷低減だけでなく,食糧確保の点でも極めて重要な課題である。現在,コロナ禍の世界的な不安定化の中で,食糧ナショナリズム等の自国優先の台頭などの可能性が高まっており,食糧自給率の低い我が国にとって,国民生活の安定的確保のためには食物ロス対策とともに食品の有効的な確保は緊喫の課題となる。

微粒子投射処理(MD処理)でも生産プロセス上の環境負荷低減の優位性は,同様に確保されている。

また,当社のDLC膜は食品用としてFDAの認証も受けており,MD処理との複合により,形状保存の長期化やDLC膜の食品付着や摺動性向上との複合化が可能である。